アテネ五輪と8.15 吉川みさ子 練馬区議会議員
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2004 年 8 月 18 日    
アテネ五輪と8.15

2004年8月15日、朝日新聞朝刊トップはアテネでの柔道競技で、谷亮子の連覇、野村忠宏の三連覇を報じ、金メダルとオリーブの冠、満面の笑みが、読者に「やったー!ニッポン、凄い!」と、否応なく思わせる文字と写真が溢れた。二人とも直前まで怪我の痛みに耐え,己にうち勝って得た勝利であり、夏大会通算99個目と100個目の金メダルという因縁付で、何か特別な力を感じてしまいそうだった。
 13日の開会式からずっとライブで見せるテレビ画面に選手の付けている日の丸を探し、日本選手の活躍に一喜一憂する私達は無邪気な愛国者だ。しかし、素直な愛国心が、いかに危ういものであるかは、オリンピック直前に中国で開催されたサッカーアジアカップでの中国人サポーター、観衆が証明済みだ。スポーツだって政治と切り離してはありえない。
 本来、8月15日は、新聞もテレビも終戦記念特集を組み、ともすれば風化しかねない戦争の傷跡をせめてこの日だけでもと、報道していたはずだ。今年、オリンピックの合間にそのような番組を見つけるのは難しかったが、NHKスペシャル「子どもたちの戦争」を見た。戦争中、鬼畜米英を倒すために本気で「一人一殺」を考えていたとの証言や、お国のために砲弾を作る勤労奉仕に「誇りを感じ、死ぬことを怖いと思わなかった」と元子ども達は言う。しかし、実際に自分や肉親が傷つき 悲惨なめにあってはじめて戦争の何たるかを知ったわけで、「時代」というマインドコントロールの怖ろしさが語られた。
 スポーツと平和の祭典オリンピック。その誕生の地であるアテネに聖火が赤々と燃えているが、そこから遠くないイラクでは、まだ戦闘の火は消えていない。毎日、兵士や市民が死んでいる。人間の力、技、美しさが、競われている競技場のまわりは、警備の軍隊の迷彩服が取り囲んで、入場者を厳しくチェックしている。「何か変だよ」と思いつつも、連夜のテレビ観戦で寝不足の私は、すでに「時代」にマインドコントロールされているのかしら?



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